文学史 / 近代・現代文学史
頻出解法パターン
パターン1: 流派の登場順序をストーリーとして覚える
こんな問題で使う
明治文学の流派(言文一致・写実主義・浪漫主義・自然主義・反自然主義)の登場順序や、それぞれの関係性を問う問題。
整理の手順
- 各流派を、単なる名称の羅列ではなく、「前の流派への反動・発展」というストーリーとして結びつける。
- 「写実主義(客観的に描く)→浪漫主義(それでは物足りず、情熱的な理想を描く)→自然主義(理想ばかりでは嘘っぽいので、みにくい現実も暴露する)→反自然主義(暴露ばかりでは息苦しいので、知的な余裕を取り戻す)」という、「反動の連鎖」として物語化する。
- 各流派の代表作家を、そのストーリーの登場人物として位置づける。
具体例
「なぜ夏目漱石・森鴎外は自然主義に反対する立場をとったのか」と問われたら、「自然主義が人間のみにくさを暴露することに偏りすぎたため、その反動として、知的な余裕を持って人生を見つめる立場(余裕派・高踏派)が生まれた」という、流派どうしの因果関係から説明する。
パターン2: 対立する2つの流派を理念の方向性で比較する
こんな問題で使う
同じ時期に並び立った、性格の異なる流派どうしの違いを説明させる問題(白樺派と耽美派、プロレタリア文学と新感覚派、戦後派と第三の新人、など)。
整理の手順
- 比較対象となる2つの流派をまず特定する。
- それぞれの流派が「何を最も重視しているか」という理念の中心を、一言で書き出す。
- 2つの理念を対比させ、共通点(同時期に活躍した)と相違点(理念の方向性)を整理する。
具体例
「プロレタリア文学と新感覚派の違い」を問われたら、「プロレタリア文学は“何を描くか”(労働者階級・社会矛盾)を重視し、新感覚派は“どう描くか”(斬新な文体・感覚的表現)を重視する」という、内容重視か表現重視かという軸で対比する。
パターン3: 代表作のキーワードから流派・時代を逆算する
こんな問題で使う
作品のあらすじや特徴の説明文から、その作品が属する流派や時代を答えさせる問題。
整理の手順
- 説明文の中から、時代やテーマを示すキーワード(戦争体験、労働者階級、耽美的、私小説的、など)を抜き出す。
- そのキーワードが、どの流派の理念と一致するかを、表や対応リストと照らし合わせる。
- 候補が複数ある場合は、作品の具体的な内容(登場人物・舞台設定など)から、さらに絞り込む。
具体例
「劣悪な環境で働く労働者たちが団結する話」という説明を見たら、「労働者」「団結」というキーワードから、社会変革を志向する「プロレタリア文学」を連想し、代表作『蟹工船』(小林多喜二)にたどり着く。
パターン4: ノーベル賞受賞者は年号とセットで覚える
こんな問題で使う
日本人のノーベル文学賞受賞者や、その受賞順序・年代を問う問題。
整理の手順
- 受賞者の名前だけでなく、必ず受賞年もセットで覚える。
- 受賞者を年代の古い順に並べ、「1人目→2人目」という順序を確認する。
- その受賞者が、どの時代・どの流派に属する作家かも、あわせて確認する。
具体例
「日本人のノーベル文学賞受賞者を古い順に挙げよ」と問われたら、「川端康成(1968年、新感覚派)→大江健三郎(1994年、戦後派以降の世代)」という、年号と流派・時代をセットにした情報として思い出す。
パターン5: 「〜派」「〜主義」の名称から理念を直接連想する
こんな問題で使う
流派の名称だけが与えられ、その理念や特徴を説明させる問題。
整理の手順
- 流派の名称に含まれる漢字や言葉の意味を、そのまま手がかりにする。
- その言葉が示す方向性(何を重視しているか)を、まず素直に考える。
- その素直な理解が、実際の文学史上の定義と一致するかを確認し、もしずれがあれば修正して覚え直す。
具体例
「耽美派」という名称を見たら、「耽美」という言葉の意味(美にふけること)から、「美を追求する流派なのだろう」と素直に連想し、それが実際の定義(道徳や社会性よりも美そのものを至上のものとする立場)と一致することを確認して、確実な知識として定着させる。