現代文 / 設問対応の技術

よくある間違い

間違い1: 傍線部の言い換えを、直後だけで探して諦めてしまう

よくある誤答例

傍線部の直後を読んでも言い換えが見つからず、「本文に書かれていないから、自分の言葉で考えるしかない」と判断し、本文から離れた説明を書いてしまう。

なぜ間違いなのか

言い換え箇所は、傍線部より後にあるとは限りません。「このように」「そうした事情から」のように、それまでの内容を受けた傍線部の場合、言い換えの材料はむしろ前の段落にあります。直後だけを見て諦めるのは探索が不十分です。

正しい考え方

直後に見当たらなければ、視野を前の段落にも広げましょう。本文中に答えの根拠がないと感じたときほど、探す範囲が狭すぎないかをまず疑う習慣をつけてください。

間違い2: 抽象語をそのまま解答に書き写して終えてしまう

よくある誤答例

「傍線部『合理性』とはどういうことか」という問いに対して、「合理性があるということ。」のように、傍線部の言葉をほぼそのまま繰り返しただけの解答を書いてしまう。

なぜ間違いなのか

抽象語をそのまま使った解答は、内容の説明になっていません。設問は「合理性」という言葉が具体的に何を意味しているかを問うており、その語自体を繰り返しても、説明したことにはなりません。

正しい考え方

抽象語が傍線部に含まれていたら、その語が本文中でどのような具体的内容を指して使われているかを、必ず別の箇所(多くは具体例や前後の説明)から特定し、その具体的内容で言い換えて解答しましょう。

間違い3: 理由説明で、原因と結果を逆に読んでしまう

よくある誤答例

「AだからBという結果になった」という文を、「Bだから、Aという結果になった」のように、原因と結果を逆に理解して解答してしまう。

なぜ間違いなのか

「〜だから」「〜のため」という表現は、直前・直後のどちらが原因でどちらが結果かを正確に見極めないと、簡単に取り違えてしまいます。取り違えたまま解答を書くと、因果関係が本文とまったく逆になってしまいます。

正しい考え方

因果関係を示す表現を見つけたら、「(原因)だから、(結果)になる」という形で実際に声に出して読み直し、傍線部の内容と矛盾しないかを必ず確認しましょう。

間違い4: 理由が複数あるのに、1つ目を見つけた時点で満足してしまう

よくある誤答例

「加えて」「また」で導入される2つ目の理由に気づかず、最初に見つかった理由だけで解答を終えてしまう。

なぜ間違いなのか

字数指定が長い理由説明問題では、理由が複数積み重ねられていることが多くあります。1つ目の理由だけでは、要素が不足した不十分な解答になってしまいます。

正しい考え方

理由を1つ見つけても、その先に「加えて」「さらに」「また」といった添加の接続語がないかを必ず確認し、複数の理由がある場合はすべて拾い出しましょう。

間違い5: 記述問題で、主語を省略したまま解答してしまう

よくある誤答例

本文で主語が省略されている文をそのまま抜き出し、「〜と考えられているから。」のように、誰の考えなのかがあいまいな解答を書いてしまう。

なぜ間違いなのか

本文の文脈では省略されていても自然に分かる主語が、抜き出した解答単独では誰を指すか分からなくなることがあります。採点者は、解答だけを読んで意味が通るかを見ています。

正しい考え方

記述解答を書き終えたら、その一文だけを本文から切り離して読み、誰が・何がの主語が明確かどうかを必ずチェックしましょう。

間違い6: 記述問題で、自分の意見や一般常識を書き加えてしまう

よくある誤答例

本文の内容にとどまらず、「私もそう思う」「一般的にもそう言われている」というような、自分の感想や一般論を解答に混ぜてしまう。

なぜ間違いなのか

記述問題は、あくまで本文の内容を正確に説明する問題です。自分の意見や、本文に書かれていない一般常識を書き加えると、本文にない情報の追加として減点の対象になります。

正しい考え方

解答を書く前に「この内容は本文のどこに書いてあるか」を1文ずつ指させるかを確認し、指せない内容は解答から取り除きましょう。

間違い7: 空欄補充で、対比のA・Bどちらの文脈かを確認せずに選んでしまう

よくある誤答例

対比構造のある文章で、空欄の前後をよく読まず、「なんとなく評論文らしい言葉」という印象だけで選択肢を選んでしまう。

なぜ間違いなのか

空欄がA(旧来の考え)側の文脈にあるのか、B(筆者の主張)側の文脈にあるのかによって、入るべき内容の方向性はまったく異なります。印象だけで選ぶと、内容としてはそれらしくても、文脈上は正反対の陣営の選択肢を選んでしまいます。

正しい考え方

空欄を見つけたら、まずその空欄がA・Bどちらの陣営に属する文脈かを判定し、その立場に沿う内容の選択肢に絞り込みましょう。

間違い8: 脱文挿入問題で、指示語や接続語を確認せずに感覚で選んでしまう

よくある誤答例

抜き出された一文の内容だけを見て、「なんとなくここに入りそうだ」という感覚で挿入位置を決めてしまい、指示語や接続語の対応を確認しない。

なぜ間違いなのか

脱文挿入問題の最大の手がかりは、抜き出された一文の中の指示語・接続語です。これを確認せずに感覚だけで選ぶと、内容が近いだけの誤った位置を選んでしまう危険があります。

正しい考え方

抜き出された一文に指示語や接続語があれば、それが指せる内容・つながる論理関係が、候補となる挿入位置の直前に本当にあるかを、必ず1つずつ確認しましょう。

間違い9: 選択肢の「言い過ぎ」に気づかず選んでしまう

よくある誤答例

本文には「〜することが多い」と書かれているのに、選択肢の「〜である」「必ず〜する」という、断定を強めた表現の違いに気づかず選んでしまう。

なぜ間違いなのか

内容の方向性は合っていても、断定の強さが本文の記述を超えている選択肢は、典型的な誤答パターン(言い過ぎ)です。方向性だけで判断すると、この程度の違いを見落としてしまいます。

正しい考え方

選択肢を読むときは、内容の方向性だけでなく、「すべて」「必ず」「〜しかない」のような、断定の強さを表す言葉に特に注意を払い、本文の程度を表す表現と丁寧に照らし合わせましょう。

間違い10: 選択肢の「本文にない情報」を、もっともらしさで見逃してしまう

よくある誤答例

選択肢の内容が全体としてもっともらしく、評論文にありそうな内容に見えるという理由だけで、本文に根拠があるかを確認せずに選んでしまう。

なぜ間違いなのか

誤答選択肢の多くは、一般常識としてはもっともらしい内容を含むように、巧妙に作られています。もっともらしさは、本文に書かれていることの証明にはなりません。

正しい考え方

選択肢の中の要素それぞれについて、「これは本文のどこに書いてあるか」を実際に指させるかどうかを1つずつ検証し、指せない要素があれば、その選択肢は消去しましょう。