現代文 / 現代文の読み方の基本
演習問題
演習問題
問題1
問題
次の文章を読み、①〜④の各段落の役割を「問題提起」「具体例」「主張」「まとめ」から選び、文章全体の構成が頭括型・尾括型・双括型のどれに当たるかを答えよ。
①予定を細かく決めておくことは、時間を有効に使うために欠かせないと考えられている。しかし、予定通りにいかない時間にこそ、価値があるのではないだろうか。
②たとえば、電車の遅延で偶然できた30分の空き時間に、ふらりと立ち寄った書店で、探していたわけではない本に出会うことがある。
③同じように、待ち合わせの相手が遅れてきたことで生まれた時間に、周囲の景色をじっくり眺め、それまで気づかなかった街の変化に気づくこともある。
④このように、予定に組み込まれていない時間は、単なる無駄ではなく、あらかじめ計画していなかった発見をもたらす余白としての価値を持っている。
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①は「〜のではないだろうか」という疑問形で終わり、これから論じる話題を示しているので問題提起です。②は「たとえば」で始まる具体例、③は「同じように」で始まる、②と並列のもう1つの具体例です。④は「このように」で始まり、②③の内容を一段抽象化してまとめているのでまとめです。
主張(「余白としての価値を持っている」という筆者の判断)は④に初めて明示されており、①は疑問形の問題提起にとどまっているため、双括型ではなく尾括型です。
答え:①問題提起 ②③具体例(並列) ④まとめ。構成は尾括型。
問題2
問題
次の文中の「そのこと」が指す内容を、20字以内でまとめよ。
多くの図鑑には、生き物の名前と分類だけでなく、生息地の環境についての説明も添えられている。編集者によれば、そのことを知って初めて、なぜその生き物がその姿になったのかを理解できるからだという。
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「そのこと」の直前にある内容を確認します。直前の文で述べられているのは「図鑑に生息地の環境についての説明も添えられている」という事実です。これを代入すると、「生息地の環境について知って初めて、なぜその生き物がその姿になったのかを理解できる」となり、意味が自然に通ります。
答え:生息地の環境について説明されていること。(20字)
問題3
問題
次の文章の空欄A・Bに入る接続語として最も適切なものを、後の語群からそれぞれ選べ。
多くの人は、地図アプリがあれば道に迷うことはないと考えている。( A )、地図アプリに頼りきりになった結果、目的地までの周囲の風景をほとんど記憶していない、という経験をした人も少なくない。( B )、地図アプリは道に迷わせない代わりに、道を「覚える」機会を私たちから奪っているのかもしれない。
【語群】つまり/しかし/さらに
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Aの前は「地図アプリがあれば迷わない」という一般的な考え、Aの後は「地図アプリに頼りきりで周囲の風景を覚えていない」という、前とは逆の側面を指摘する内容です。前後が反対方向を向いているので、Aには逆接のしかしが入ります。
Bの前では地図アプリの弊害が具体的に述べられ、Bの後ではその内容が「道を覚える機会を奪っている」と短くまとめ直されています。前の内容を言い換えているので、Bにはつまりが入ります。
答え:A しかし B つまり
問題4
問題
次の文章のキーワードとして最も適切な語を文中から抜き出し、キーセンテンスに当たる一文も抜き出せ。
会話の途中で沈黙が生まれると、私たちはとかくそれを気まずいものとして埋めようとする。しかし、話し手が言葉を探している沈黙、聞き手が相手の言葉をかみしめている沈黙は、会話を壊すものではなく、むしろ会話に深みを与えるものである。沈黙を恐れて言葉で埋め尽くそうとする態度こそ、かえって対話を浅いものにしてしまうのかもしれない。
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「沈黙」という語が3回、「会話」「対話」という関連語も繰り返し使われていますが、文章が最終的に評価を与えている対象は「沈黙」の方です。したがってキーワードは「沈黙」だと判断できます。
キーセンテンスは、筆者の評価がはっきり示された「沈黙を恐れて言葉で埋め尽くそうとする態度こそ、かえって対話を浅いものにしてしまうのかもしれない。」です。
答え:キーワード「沈黙」/ キーセンテンス「沈黙を恐れて言葉で埋め尽くそうとする態度こそ、かえって対話を浅いものにしてしまうのかもしれない。」
問題5
問題
次の文章をA(一般的な考え)とB(筆者の主張)に整理し、それぞれ15字程度でまとめよ。
失敗した経験は、なるべく思い出さないようにする方がよいと考えられがちである。だが、失敗した経験を思い出すことを避け続けていると、同じ失敗を繰り返す原因を見つける機会そのものを失ってしまう。失敗を直視し、その原因を言葉にする作業こそが、次への一番の備えになる。
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「〜と考えられがちである」がAを導入する表現、「だが」の後がBです。
答え:A=失敗の経験は思い出さない方がよい。B=失敗を直視し原因を言葉にすべきだ。
問題6
問題
次の文章で、2つの具体例(祖父の手紙、友人からの手書きのメモ)に共通して支えられている、抽象的な主張を1文でまとめよ。
祖父から届いた手紙は、文字の癖や、書き直した跡までもが、祖父らしさをそのまま伝えてくるようだった。友人が急いで書いてくれた手書きのメモも、走り書きの乱れた文字から、そのときの慌ただしさが伝わってきた。手書きの文字には、内容そのもの以上の情報が、いつも一緒に刻み込まれている。
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2つの具体例に共通するのは、「手書きの文字が、書かれた内容だけでなく、書き手の様子や状況まで伝えている」という点です。これは最後の一文でそのまま一般化されています。
答え:手書きの文字には、内容そのもの以上の情報が刻み込まれている。
問題7(総合)
問題
次の文章を読み、(1)対比されているA・Bの内容、(2)キーセンテンスに当たる一文、(3)文章全体の構成(頭括型・尾括型・双括型)を答えよ。
①スポーツにおいて、勝敗の記録だけが評価されるべきだという考え方がある。
②たとえば、大差で敗れた試合について、記録の上ではただの「敗戦」としか扱われないことが多い。
③しかし、際どい場面で見せた粘り強いプレーや、それまで積み重ねてきた練習の成果が垣間見えた瞬間は、勝敗という記録だけでは決してすくい取れない。
④スポーツの価値を本当に測るためには、勝敗という結果だけでなく、そこに至る過程で示された姿勢にも目を向ける必要があるのではないだろうか。
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(1) ①の「勝敗の記録だけが評価されるべきだ」がA、③の「しかし」以降で示される「過程で示された姿勢にも目を向けるべきだ」という内容がBです。②はAの具体例として大差の敗戦を挙げています。
(2) キーセンテンスは、筆者の判断が「〜のではないだろうか」という形ではっきり示された④「スポーツの価値を本当に測るためには、勝敗という結果だけでなく、そこに至る過程で示された姿勢にも目を向ける必要があるのではないだろうか。」です。
(3) ①でAの一般論が示され、②で具体例、③の逆接でBへ転換し、④でまとめが述べられています。最初の段落には筆者自身の主張は示されておらず、主張は③④に初めて明示されているため、尾括型です。
答え:(1) A=勝敗の記録だけを評価すべきだ。B=過程で示された姿勢にも目を向けるべきだ。(2) ④「スポーツの価値を本当に測るためには〜必要があるのではないだろうか。」(3) 尾括型