漢文 / 漢文読解

頻出解法パターン

パターン1: 多義語の意味を文脈から見分ける手順

こんな問題で使う

「之・而・於・則・為」など、複数の意味を持つ重要語について、その文での意味を問う問題。

解法の手順

  1. その字の前後にある語が、名詞(体言)なのか、動詞(用言)なのかを確認する。
  2. 字の位置(文頭・文中・文末)を確認する。文末の助字(也・矣・焉・哉・乎 など)は語気を表すことが多い。
  3. 候補となる意味・読み方を挙げ、それぞれを実際にあてはめて、文全体の意味が自然に通るかどうかを確かめる。
  4. 話の流れ(前の文脈)と矛盾しない意味を選ぶ。

具体例

「之」の前後が「体言+之+体言」であれば「の」、動詞の直後で何かを指していれば「これ」、というように、前後の品詞を手がかりに絞り込んでいく。

パターン2: 置き字かどうかを判定する手順

こんな問題で使う

於・于・乎・而・矣・焉が含まれる文を、書き下し文にする問題。

解法の手順

  1. その字が「於是(ここにおいて)」のような決まり文句の一部になっていないかを確認する。決まり文句なら実際に読む。
  2. 「而」が文頭に単独で置かれ、前の文全体を受けているかを確認する。そうであれば「しかシテ」「しかルニ」と実際に読む。
  3. 上記の例外に当てはまらなければ、置き字として読み飛ばす。
  4. 置き字の意味を、直前の語に付ける送り仮名(に・を・より・て など)として表現する。

具体例

「学於古人」であれば、「於」は決まり文句の一部でも文頭の「而」でもないので置き字と判断し、「古人」に「に」を付けて「古人に学ぶ」と読む。

パターン3: 漢詩の形式を句数・字数から判定する手順

こんな問題で使う

漢詩の形式(五言絶句・七言絶句・五言律詩・七言律詩)を答える問題。

解法の手順

  1. 句の数を数える。4句なら絶句、8句なら律詩。
  2. 1句あたりの字数を数える。5字なら五言、7字なら七言。
  3. 手順1と2を組み合わせて、形式名を決定する。
  4. 律詩の場合は、さらに2句ずつ4つの聯(首聯・頷聯・頸聯・尾聯)に分け、頷聯・頸聯が対句になっているかを確認する。

具体例

8句、1句7字の詩であれば、まず「律詩」、次に「七言」と判断し、あわせて「七言律詩」と答える。

パターン4: 主語を補いながら読み進める手順

こんな問題で使う

会話文や説話文の中で、省略された主語を補って答える問題。

解法の手順

  1. 直前の文の主語を確認し、特に指示がなければそれを引き継ぐ。
  2. 「曰く」が出てきたら、その直前に「誰が言ったか」を示す語(人名・或るひと・弟子 など)がないかを探す。
  3. 新しい人物を示す語(或・客・弟子 など)が現れたら、そこで主語が交代したと判断する。
  4. 会話文の中の「吾・我」(話し手)と「子・汝」(聞き手)を手がかりに、話者と聞き手を確認する。

具体例

「或曰、『……』」の直後に別の人物の発言や反応が続く場合、その反応の主語は「或」ではなく、それ以前から話題の中心だった人物である可能性が高いので、前後の文脈から確認する。

パターン5: 複数の句法が重なった文を分解する手順

こんな問題で使う

否定・使役・受身・疑問(反語)・比較などが組み合わさった、複雑な構造の文を現代語訳する問題。

解法の手順

  1. 文の中心となる動詞(述語)を1つ見つける。
  2. その動詞に一番近い位置にある句法の要素(否定・使役・受身など)から、外側に向かって1つずつ確認する。
  3. 内側の要素から順番に日本語に直し、意味を組み立てていく。
  4. 最後に、組み立てた意味全体を、自然な日本語につなげる。

具体例

「不使人知」であれば、まず「使人知」(人に知らせる、使役)を組み立て、次にその全体を「不」が否定して「人に知らせない」とする、というように内側から外側へ順に処理する。