現代文 / 設問対応の技術
演習問題
演習問題
問題1(傍線部内容説明)
問題
次の文章の傍線部「その安心感は、見せかけにすぎない」とはどういうことか、40字以内で説明せよ。
多くの人が、防犯カメラの設置によって安心感を得ている。しかし、その安心感は、見せかけにすぎないこともある。カメラが実際には作動していなかったり、録画データを見る人がいなかったりすれば、犯罪を未然に防ぐ効果はほとんど期待できないからだ。
解答・解説を見る
傍線部「見せかけにすぎない」の中身を、直後の一文から具体化します。「カメラが実際には作動していなかったり、録画データを見る人がいなかったりすれば、犯罪を未然に防ぐ効果はほとんど期待できない」という部分が、言い換えに当たります。
答え:カメラが実際には作動していなかったり、誰も録画を見ていなかったりすれば、防犯効果は期待できないということ。(39字)
問題2(理由説明)
問題
次の文章の傍線部「彼は、あえて最短の道順を選ばなかった」のはなぜか、説明せよ。
彼は、あえて最短の道順を選ばなかった。少し遠回りになっても、途中にある商店街を通れば、季節ごとの店先の様子から、街の変化を肌で感じ取ることができるからだ。
解答・解説を見る
理由を示す表現「〜からだ」の直前を確認します。「途中にある商店街を通れば、季節ごとの店先の様子から、街の変化を肌で感じ取ることができる」という部分が理由です。
答え:遠回りになっても商店街を通れば、季節ごとの店先の様子から街の変化を感じ取れるから。
問題3(空欄補充)
問題
次の文章の空欄に入る内容として最も適切なものを、後の選択肢から選べ。
これまで、良い聞き手とは、相手の話に相づちを打ち続ける人だと考えられがちであった。しかし、相づちだけでは、相手が本当に理解してもらえたと感じるとは限らない。私は、良い聞き手とは、( )人のことだと考える。
① 相手の話をさえぎらずに、ただ黙って聞き続ける ② 相手の話の内容を自分なりに整理し、確認の質問を返せる ③ 常に相づちを打ち、相手の話を否定しない ④ 相手より先に自分の意見を述べる
解答・解説を見る
この文章はA(旧来の考え:相づちを打ち続ける人が良い聞き手だ)を「しかし」で相対化し、筆者独自のB(良い聞き手の条件)を示そうとしています。①③はどちらもA側の「相づち」に近い内容の言い換えにすぎず、Bとして新しい主張になっていません。④は本文のどこにも根拠のない、話題のすり替えです。②は「相づちだけでは理解してもらえたと感じるとは限らない」という指摘を乗り越える、新しい観点を示しており、Bの内容として適切です。
答え:②
問題4(記述)
問題
次の文章の傍線部「その練習法は、遠回りのようで実は近道だった」とはどういうことか。対比構造をふまえて50字程度で説明せよ。
多くの選手が、試合形式の実戦練習を繰り返すことこそ上達への近道だと考えている。しかし、彼のコーチは、基本動作を単調に反復する地味な練習を、あえて長期間続けさせた。その練習法は、遠回りのようで実は近道だった。基本の精度が上がったことで、実戦で複雑な判断を求められた瞬間にも、体が自然に正しい動きを選べるようになったからだ。
解答・解説を見る
A(旧来の考え:実戦練習の繰り返しが近道)とB(基本動作の反復こそ近道)の対比構造です。傍線部は、一見遠回りに見える基本反復の練習が、実は近道であったことの理由を、直後の一文が説明しています。要素は「基本の精度が上がったこと」と「その結果、実戦の複雑な判断の場面でも自然に正しい動きを選べるようになったこと」の2つです。
答え:地味に見える基本動作の反復によって基本の精度が上がり、実戦の複雑な場面でも自然に正しい動きを選べるようになったということ。(53字)
問題5(選択肢消去法)
問題
次の文章の内容と合致するものとして最も適切なものを、後の選択肢から選べ。
このレストランが長年愛されてきたのは、目新しいメニューを次々と開発してきたからではない。変わらない一皿の味を、毎日同じ水準で出し続けてきたことにこそ、常連客は価値を感じているのである。
① このレストランは、常に新しいメニューを開発することで愛されてきた。 ② このレストランは、変わらない味を安定して出し続けてきたことで愛されてきた。 ③ 常連客は、目新しさがないことに不満を持っている。 ④ このレストランは、メニューを一度も変えたことがない。
解答・解説を見る
①は、本文がまさに否定している内容(目新しいメニュー開発)を、逆に理由としてしまっている、対比の取り違えです。③は本文のどこにも書かれていない、本文にない情報の追加です。④は「一度も変えたことがない」という、本文の程度を超えた言い過ぎです。②は、本文の「変わらない一皿の味を、毎日同じ水準で出し続けてきたこと」と過不足なく対応しています。
答え:②
問題6(理由説明・応用)
問題
次の文章の傍線部「その決断に、彼女は最後まで迷い続けた」のはなぜか。本文中の2つの理由をふまえて55字程度で説明せよ。
留学の誘いを受けたとき、その決断に、彼女は最後まで迷い続けた。長年築いてきた地元での人間関係を、一時的にせよ手放すことへの不安があったからだ。加えて、慣れない環境で学業についていけるかどうかという不安も、彼女の心を重くしていた。
解答・解説を見る
「〜からだ」の直前と、「加えて」以降の2つの理由が並列で述べられています。要素①「長年築いてきた地元での人間関係を手放すことへの不安」、要素②「慣れない環境で学業についていけるかという不安」です。
答え:長年築いた地元での人間関係を手放す不安に加え、慣れない環境で学業についていけるかという不安もあったから。(52字)
問題7(総合)
問題
次の文章を読み、(1)傍線部「その効率化は、代償を伴っていた」とはどういうことかを50字程度で説明し、(2)文章の主旨として最も適切なものを後の選択肢から選べ。
工場では、作業を細かく分業化することで、生産効率を大きく高めることに成功した。しかし、その効率化は、代償を伴っていた。1人の作業員が製品全体の完成に関わる実感を持てなくなり、仕事へのやりがいを感じにくくなったという声が、現場から上がるようになったのである。
① 分業化は、いかなる場合でも作業員の満足度を下げるので、行うべきではない。 ② 生産効率を高める分業化には、作業員が製品完成への関与を実感しにくくなるという代償も伴う。 ③ 作業員のやりがいは、生産効率とは無関係である。 ④ 効率化によって、作業員の給与は大幅に下がった。
解答・解説を見る
(1) 傍線部「代償を伴っていた」の中身を、直後の一文から具体化します。「1人の作業員が製品全体の完成に関わる実感を持てなくなり、仕事へのやりがいを感じにくくなった」という部分が言い換えに当たります。
(2) ①は「いかなる場合でも」「行うべきではない」という言い過ぎです。本文は分業化の効果(生産効率の向上)自体は認めたうえで、その代償を指摘しているにすぎません。③は本文が示す「効率化とやりがいの関係」を「無関係」と正反対に述べており、因果の逆転に近い誤りです。④は本文のどこにも書かれていない、本文にない情報の追加です。②は、分業化の効果と代償の両方を過不足なく説明しています。
答え:(1) 分業化で生産効率は高まったが、作業員が製品完成への関与を実感できず、やりがいを感じにくくなったということ。(51字) (2) ②