古典(古文) / 古文読解

頻出解法パターン

パターン1: 古今異義語発見→複数の意味候補→文脈判定

こんな問題で使う

現代語と見た目が同じだが意味の異なる古語(古今異義語)を含む文の現代語訳や意味を問う問題。

解法の手順

  1. 文中に、現代語の感覚で訳すと意味が通らない語がないかを疑う。
  2. その語について、覚えている複数の意味候補を書き出す。
  3. 前後の文脈(誰が、どんな場面で使っているか)を確認し、最もふさわしい意味を選ぶ。
  4. 選んだ意味で文全体を訳し直し、話の流れとして自然かを確認する。

具体例

「つとめて、雪のいと白う降りたるを見て」の「つとめて」を、現代語の「努力して」ではなく「早朝」という古義で訳すことで、「早朝、雪がとても白く降っているのを見て」という自然な文になる。

パターン2: 主語把握4ステップ(敬語→接続助詞→会話文→検算)

こんな問題で使う

主語が省略された古文の一文、または長い一文の中で、動作主が誰かを問う問題。

解法の手順

  1. 動詞に付いている敬語の種類(尊敬・謙譲・なし)を確認する。
  2. 接続助詞に注目し、「て・つつ」なら主語継続、「を・に・が」や逆接なら主語転換の可能性を疑う。
  3. 会話文に入っていないかを確認し、入っていれば話者・聞き手の観点で主語を捉え直す。
  4. 推定した主語を当てはめて文脈が自然に通るか検算する。

具体例

「女、文を書きて、使ひにやりつ。使ひ、急ぎ帰りて、御返事を奉りけり。」で、「奉りけり」の前に「て」があるので、直前の主語「使ひ」がそのまま継続していると判断する。

パターン3: 和歌修辞発見の手順(音数チェック→掛詞候補→縁語確認)

こんな問題で使う

和歌の中の枕詞・序詞・掛詞・縁語を指摘させる問題。

解法の手順

  1. 冒頭の5音が、決まった語を導く枕詞のリストに当てはまらないかを確認する。
  2. 当てはまらなければ、比喩的な描写で特定の語を導く序詞になっていないかを確認する。
  3. 「まつ・ながめ・あき・ふる・よ」など、掛詞になりやすい音が含まれていないかを探す。
  4. 掛詞が見つかったら、その周辺に意味の関連する語(縁語)が散りばめられていないかを確認する。

具体例

「花の色は移りにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに」で、「ふる」「ながめ」という掛詞になりやすい音を見つけ、それぞれに「降る/経る」「眺め/長雨」の2つの意味を当てはめて解釈する。

パターン4: 敬語・接続助詞からの人物関係整理表の作り方

こんな問題で使う

複数の登場人物が出てくる長い古文で、誰が誰にどんな関係にあるかを整理する必要がある問題。

解法の手順

  1. 登場人物の名前・呼称をすべて書き出す。
  2. それぞれの人物に対して使われている敬語(尊敬・謙譲・なし)を、動詞ごとにメモする。
  3. 敬語の強さ(二重敬語かどうかなど)を比較し、人物の身分を相対的に順位づけする。
  4. 整理した身分関係をもとに、省略された主語・客体を補いながら読み進める。

具体例

ある人物には「せ給ふ」(二重敬語)、別の人物には「給ふ」(単純な尊敬)が使われている場合、前者の方がより高い身分(帝など)であると判定する。

パターン5: ジャンル判定→読み方切り替え

こんな問題で使う

初見の古文について、まずどのジャンル(物語・日記・説話・随筆)かを判断し、読み方の方針を立てる場面。

解法の手順

  1. 書き出しの型(「今は昔」→説話、「男ありけり」→物語、日付や回想の語り口→日記)を確認する。
  2. 文章全体に筋書き(ストーリー)があるか、筆者自身の意見・感想が中心かを確認する。
  3. ジャンルを仮に判定し、そのジャンルに応じた読解の重点(説話→教訓、日記→心情の推移、物語→人物関係、随筆→筆者の価値観)を意識する。
  4. 読み進めながら、判定が間違っていないかを随時確認する。

具体例

「今は昔、ある山寺に、心をこめて仏に仕ふる僧ありけり。」という書き出しから説話と判定し、この後に教訓的な結末が来ることを予測しながら読み進める。

パターン6: 総合読解(文法・語彙・人物関係・ジャンル知識の統合)

こんな問題で使う

文法・語彙・人物関係・ジャンルの知識をすべて組み合わせて解く、総合的な読解問題。

解法の手順

  1. まずジャンルを判定し、読解の方針を立てる(パターン5)。
  2. 登場人物と敬語による身分関係を整理する(パターン4)。
  3. 文中の古今異義語・和歌があれば、それぞれの手順(パターン1・3)で意味を確定させる。
  4. 主語・目的語の省略を補いながら(パターン2)、文章全体を通して現代語訳し、設問に答える。

具体例

日記文学の一節で、作者(女性)の心情を表す古今異義語(「心細し」「あはれなり」など)を正確に訳しつつ、敬語から場面に登場する他の人物の身分を把握し、省略された主語を補って全体の内容を把握する。