漢文 / 重要句法

演習問題

演習問題

問題1(否定・二重否定)

問題

次の文を書き下し文にし、現代語訳せよ。

無レ不レ知(ラ)。

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「知」にレ点が付いているので、「知」を先に読んでから「不」に返り、「知らざる」となります。この「不レ知」全体に、さらに「無」からのレ点が付いているので、「知らざる」を読んでから「無」に返ります。

読む順は「知→不→無」です。

答え:知らざる無し。/ 知らないことがない。(=すべてを知っている)

否定を2回重ねる二重否定で、強い肯定を表しています。

問題2(否定・部分否定と全部否定)

問題

次の文を現代語訳せよ。また、部分否定・全部否定のどちらかも答えよ。

人不二必読一レ書。

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書き下し文は「人必ずしも書を読まず。」となります。否定語「不」が副詞「必」より前にあるので、これは部分否定です。

答え:人は必ずしも書物を読むわけではない。(部分否定)

問題3(疑問・反語)

問題

次の文を書き下し文にし、現代語訳せよ。

学而時習レ之、不二亦説一乎。

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「学びて時に之を習ふ」に続けて、「亦」「説」の一二点により「亦説ばしからず」となり、文末の「乎」を「や」と読んで「亦説ばしからずや」となります。「不亦〜乎」はほぼ確実に反語として使われる決まり文句です。

答え:学びて時に之を習ふ、亦説ばしからずや。/ 学んだことを、機会があるたびに復習する。これはなんと喜ばしいことではないか。

『論語』冒頭の有名な一節です。

問題4(使役形)

問題

次の文を書き下し文にし、現代語訳せよ。

天帝使下我長二百獣一上。

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内側の一二点により「百獣に長たり」となり、この範囲全体を外側から上下点で「使」に返します。「我」はそのままの位置で読み、送り仮名(ヲシテ)を補います。

読む順は「天帝→我→百→獣→長→使」です。

答え:天帝我をして百獣に長たらしむ。/ 天の神様が私を、あらゆる獣の長にお命じになった。

「虎の威を借る狐」の故事のもとになった、『戦国策』の一節です。

問題5(受身形)

問題

次の文を書き下し文にし、現代語訳せよ。

先即制レ人、後則為二人所一レ制。

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前半「先即制レ人」は、能動の文で「先んずれば則ち人を制し」となります。後半は、「所」に一とレが重ねて付いており、「制」を先に読んでから「所」に返り(制する所)、続けて「為」に返ります。

読む順は「後→則→人→制→所→為」です。

答え:先んずれば則ち人を制し、後るれば則ち人の制する所と為る。/ 先に行動すれば人を制することができ、後れれば人に制されてしまう。

『史記』項羽本紀にある、先手を取ることの大切さを説いた言葉です。

問題6(比較形)

問題

次の文を書き下し文にせよ。

氷寒レ於水。

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「於」は置き字なので、それ自体には返り点が付かず、読みません。「寒」に付いたレ点は、「於」を飛び越えて「水」に返る、という指示です。「水」に送り仮名「より」を補います。

答え:氷は水より寒し。

問題7(選択形)

問題

次の文を書き下し文にし、現代語訳せよ。

与二其労(セン)一、寧逸(セヨ)。

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「其」「労」を先に読んでから「与」に返り(一二点)、「其の労せんよりは」となります。「与其」が付いている方が避けるべき選択肢、「寧」が付いている方が選ぶべき選択肢です。

答え:其の労せんよりは、寧ろ逸せよ。/ あくせく働くくらいなら、むしろのんびり過ごせ。

『論語』の「礼は、其の奢らんよりは、寧ろ倹しかれ。」と同じ構文です。

問題8(仮定形)

問題

次の文を書き下し文にし、現代語訳せよ。

不レ入二虎穴一、不レ得二虎子一。

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「若」「如」「使」がなくても、否定の「ずんば」で仮定の意味を作れます。「虎」「穴」を先に読んでから「入」に返り、「入」を読み終えたところで「不」に返って、「入らずんば」(もし入らなければ)となります。後半も同じ構造で、こちらは結果を述べる部分なので「ず」で結びます。

答え:虎穴に入らずんば、虎子を得ず。/ 虎の巣穴に入らなければ、虎の子を手に入れることはできない。

『後漢書』班超伝にある、危険を冒さなければ大きな成果は得られないという意味のことわざのもとになった言葉です。

問題9(詠嘆形・限定形)

問題

次の文を書き下し文にし、現代語訳せよ。

但レ聞二人語響一。

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「人」「語」「響」をそのままの順で読んでから「聞」に返ります(一二点)。「但」は文の初めで「ただ」と読みます。

答え:但だ人語の響くを聞く。/ ただ人の話し声が響くのが聞こえるだけだ。

盛唐の詩人・王維の詩「鹿柴」にある一節で、人けのない山中の静けさを詠んだものです。