古典(古文) / 助詞・敬語
頻出解法パターン
パターン1: 「の」の識別4ステップ
こんな問題で使う
文中の「の」がどの用法(主格・連体修飾格・同格・体言の代用)かを問う問題。
解法の手順
- 「の」を「が」に置き換えてみて、意味が通るかを確認する。通れば主格。
- 通らなければ、「の」の後に連体形で終わる句が続き、「〜で、それは」と補って意味が通るかを確認する。通れば同格。
- 「の」の下に本来あるべき体言が省略されていて、「の」自体が「〜のもの」の意味を担っていないかを確認する。当てはまれば体言の代用。
- 以上のどれにも当てはまらなければ、標準的な連体修飾格(単純な所有・所属)と判断する。
具体例
「白き鳥の、嘴と脚と赤き」は、「白き鳥が」では意味が通らず(主格ではない)、「白き鳥で、それはくちばしと脚が赤い」と補うと意味が通るので、同格と判定できる。
パターン2: 「ば」の接続チェック法
こんな問題で使う
接続助詞「ば」が仮定条件・確定条件のどちらかを問う問題。
解法の手順
- 「ば」の直前の語(動詞・形容詞・助動詞)を特定する。
- その語を自分で活用させ、「ば」が付いている形が未然形か已然形かを確認する。
- 未然形なら仮定条件(もし〜ならば)、已然形なら確定条件と判定する。
- 確定条件の場合は、さらに文脈から原因・理由/単純接続/恒常条件のどれにあたるかを判断する。
具体例
「命長くば」の「長く」はク活用形容詞「長し」の未然形(已然形なら「長けれ」)なので仮定条件、「かかれば」の「かかれ」はラ変動詞「かかり」の已然形(未然形なら「かから」)なので確定条件、と判定する。
パターン3: 係り結び発見→結びの活用形→意味の特定
こんな問題で使う
係助詞「ぞ・なむ・や・か・こそ」を含む文について、結びの語やその意味を問う問題。
解法の手順
- 文中に「ぞ・なむ・や・か・こそ」があるかを探す。
- あれば、文末(結び)の語がどの活用形になっているかを確認する(「ぞ・なむ・や・か」なら連体形、「こそ」なら已然形になっているはず)。
- 結びが省略されていたり、下に文が続いて結びが流れていたりしないか確認する。
- 「や・か」の場合は、疑問か反語かを、疑問文としてそのまま読んで意味が通るかどうかで判定する。
具体例
「昔、男なむありける。」では、「なむ」があるので結びは連体形になり、「けり」の連体形「ける」で結ばれている。「いづれの山か天に近き」は、話し手が純粋に知りたい内容を問うているので疑問と判定する。
パターン4: 敬語動詞発見→種類判定→動作主/客体特定
こんな問題で使う
敬語動詞が使われた文で、敬語の種類や、誰への敬意かを問う問題。
解法の手順
- 文中の敬語動詞(本動詞・補助動詞)をすべて洗い出す。
- それぞれが尊敬語・謙譲語・丁寧語のどれかを判定する。
- 尊敬語なら、その動詞の主語(動作主)が敬意の対象だと考える。
- 謙譲語なら、その動詞の動作の相手(客体)が敬意の対象だと考える。
具体例
「大納言、御文を書き給ふ。」の「給ふ」は尊敬の補助動詞なので、動作主である大納言が敬意の対象。「大納言、帝に御文を奉る。」の「奉る」は謙譲語なので、動作の相手である帝が敬意の対象と判定する。
パターン5: 二方面への敬語からの人物関係特定
こんな問題で使う
一つの動作に尊敬語と謙譲語が両方付いている文で、登場人物の相対的な身分関係を問う問題。
解法の手順
- 文中の謙譲語と尊敬語をそれぞれ特定する。
- 尊敬語が付いている人物(動作主)を確認する。
- 謙譲語が付いている動作の相手(客体)を確認する。
- 「動作主は敬語で高められる程度に身分が高いが、その動作主がへりくだって敬意を払う客体は、動作主よりもさらに身分が高い」と結論づける。二重敬語(せ給ふ・させ給ふ)があれば、動作主自身が最高位の人物だと判定する。
具体例
「大臣、帝に奏し給ふ。」では、「給ふ」(尊敬)が大臣への敬意、「奏す」(謙譲)が帝への敬意を表しているので、大臣より帝の方が身分が高いと判定できる。