現代文

用語集

アイデンティティ
自分が自分であるという一貫した感覚、自己同一性のこと。「自分とは何者か」という問いに対する答えの核となるもの。青年期の自己形成や、多文化社会における帰属意識を論じる文章によく登場する。 (評論文キーワード集)
キーセンテンス
文章の中で、筆者の主張が最も凝縮された形で表現されている一文のことです。主題文と呼ばれることもあります。 (キーワード・キーセンテンスの発見)
キーワード
文章中で繰り返し使われ、筆者の主張や文章のテーマと深く結びついている語のことです。 (キーワード・キーセンテンスの発見)
コンテクスト(文脈)
言葉や出来事の意味を規定する、周囲の状況・背景関係のこと。同じ言葉でも、置かれるコンテクストが変われば、意味や解釈が変わってくる。 (評論文キーワード集)
ステレオタイプ
特定の集団(民族・性別・世代など)に対して抱かれる、単純化され、固定化されたイメージのこと。実際の多様な個人差を無視して、一律に当てはめてしまう見方として、批判的な文脈で使われることが多い。 (評論文キーワード集)
パラグラフリーディング
段落(パラグラフ)ごとに「この段落はどんな役割を果たしているか」を意識しながら文章を読み進める読解方法のことです。 (評論文の構造を掴む(パラグラフリーディング))
パラダイム
ある時代・分野において、多くの人に共有されている物事の見方・考え方の枠組みのこと。それまでの常識が根本から入れ替わることを「パラダイムシフト(パラダイム転換)」と呼ぶ。 (評論文キーワード集)
ヘゲモニー
ある集団・国家・文化が、他に対して持つ支配的な影響力・主導権のこと。軍事力によらず、価値観や文化を通じて、相手に自発的に従わせるような影響力を指すことが多い。 (評論文キーワード集)
意味段落
複数の形式段落を、内容のまとまりごとにグループ化したものです。1つの意味段落の中では、話題や論じている方向性が一貫しています。 (評論文の構造を掴む(パラグラフリーディング))
一般化
複数の個別の事例に共通する性質を見出し、それをより広い範囲に当てはまる一般的な法則や主張としてまとめる思考の働きのことです。 (具体と抽象の関係)
因果関係
ある事柄(原因)が、別の事柄(結果)を引き起こすという関係のことです。理由説明問題では、傍線部を結果として捉え、その原因を本文中から探します。 (理由説明問題の解き方)
過不足のない解答
採点基準となるすべての要素を含み(不足がなく)、なおかつ本文にない余計な情報を付け加えていない(過剰がない)、記述解答の理想的な状態のことです。 (記述問題の書き方(要素を過不足なく))
間接描写
心情語を使わずに、表情・しぐさ・行動・口調などを通して人物の心の動きを暗示する描写のこと。小説では心情語がそのまま書かれないことのほうが多く、間接描写を読み取る力が問われる。 (心情把握の基本)
逆接
前の内容と反対、または食い違う内容が後に続くことを示す接続語の働きです。「しかし」「だが」「ところが」などがあります。 (指示語・接続語の把握)
逆説(パラドックス)
一見矛盾しているように見えながら、実はそこに真理を含んでいる表現・事態のこと。「急がば回れ」のように、常識的な予想に反する形で、かえって本質を突いている物言いを指す。 (現代文重要語彙(概念語))
近代合理主義
理性・効率・論理的な整合性を重視し、それによって世界は絶えず進歩していくと考える、近代に特徴的なものの考え方。評論文の近代批判では、この考え方が見落としてきたものを指摘する文脈で、しばしば批判の対象として取り上げられる。 (評論文頻出テーマ(2)他者論・近代批判)
具体
個別の、実際に存在する物事や出来事を指す言葉のことです。評論文では、抽象的な主張を分かりやすく示すために具体例として使われます。 (具体と抽象の関係)
空欄補充問題
本文中の一部が空欄になっており、そこに入る語句・一文として最も適切なものを選ぶ、または考えて答える設問のことです。 (空欄補充問題の解き方)
形式段落
「。」で終わったところで改行し、1字下げて書き始められる、見た目の上での段落の単位のことです。 (評論文の構造を掴む(パラグラフリーディング))
言い過ぎ(過剰一般化)
本文で述べられている程度を超えて、「すべて」「必ず」「〜しかない」のように断定しすぎている、誤答選択肢の典型的なパターンのことです。 (選択肢問題の消去法)
言い換え
同じ内容を、異なる語句・表現で述べ直すことです。評論文では、比喩的・抽象的な表現を、後から分かりやすい言葉で言い換えることがよくあります。 (傍線部内容説明問題の解き方)
言い換え(要約)の接続語
前の内容を、別の言い方でまとめ直すことを示す接続語の働きです。「つまり」「すなわち」「要するに」などがあります。 (指示語・接続語の把握)
言語相対論
「人間の思考や世界の認識のしかたは、その人が使う言語のあり方によって規定される(言語が違えば、ものの見方も違ってくる)」という考え方。評論文の言語論で最も頻出する主張パターンの一つ。 (評論文頻出テーマ(1)言語論・身体論)
指示語(こそあど言葉)
「これ・それ・あれ・どれ」「この・その・あの・どの」のように、直前に述べた内容を指して繰り返しを避けるために使われる言葉のことです。 (指示語・接続語の把握)
視点人物
その場面が、どの登場人物の目線・心情を通して語られているかを示す人物のこと。地の文が誰の内面にまで踏み込んで描写しているかを見れば、視点人物を特定できることが多い。 (小説の設問パターン)
自己相対化
自分がこれまで当然だと思っていた価値観・ものの見方を、絶対的な真理ではなく、数ある視点の一つにすぎないと捉え直すこと。異質な他者や異文化との出会いをきっかけに起こるものとして論じられることが多い。 (評論文頻出テーマ(2)他者論・近代批判)
主体・客体
主体とは、自ら考え・判断し・働きかける側(見る側、行為する側)のこと。客体とは、その働きかけの対象となる側(見られる側、行為される側)のこと。評論文では「近代は自然を客体として支配してきた」のように使われる。 (現代文重要語彙(概念語))
消去法
選択肢問題で、正解を直接選ぶのではなく、誤りを含む選択肢を1つずつ除外していき、最後に残ったものを解答とする解き方のことです。 (選択肢問題の消去法)
場面
「いつ」「どこで」「誰が」「何をしたか」という要素からなる、物語のひとまとまりの状況のこと。時間や場所が変わると場面が転換し、場面ごとに人物の位置関係や心情も変化する。 (小説の設問パターン)
情景描写
物語の舞台となる自然・天候・場所の様子を描写すること。小説では単なる背景説明ではなく、登場人物の心情を暗示する手段として使われることが多い。 (情景描写と心情の関係)
心象風景
登場人物の心情が投影されたかのように描かれる風景のこと。客観的にはただの景色でも、その場面の視点人物の心情によって「そう見えている」風景として描かれる。 (情景描写と心情の関係)
心情の推移
ある心情から別の心情へと、時間の経過や出来事をきっかけに移り変わっていくこと。小説の設問では「AからBへの心情の変化を説明せよ」という形でこれを問うものが多い。 (心情の変化を追う)
心情語
「悲しい」「嬉しい」「腹立たしい」「不安だ」のように、感情を直接的に言い表す語句のこと。本文中に心情語があれば、それが心情把握の最も確実な手がかりになる。 (心情把握の基本)
心身二元論
精神(心)と身体(物としての体)を、独立した別々のものとして捉える考え方。近代哲学(デカルトなど)に由来し、精神を身体より上位に置く発想を批判する文脈で、評論文にしばしば登場する。 (評論文頻出テーマ(1)言語論・身体論)
心理描写小説
事件の展開よりも、登場人物の心の動き(心理)を丁寧に描くことに重点を置いた小説のこと。入試現代文では、派手な事件よりも、日常の中の心情の機微を描いた作品が選ばれやすい。 (小説頻出テーマと近代・現代作家の傾向)
成長小説(通過儀礼)
主人公が、ある出来事や経験をきっかけに、それまでの自分の考え方や在り方を乗り越え、精神的に一歩成長していく過程を描いた小説のこと。入試小説の中でもとりわけ出題頻度が高いテーマ。 (小説頻出テーマと近代・現代作家の傾向)
生きられた身体
身体を、単なる物質・道具としてではなく、経験や意味、他者や世界との関わりを宿すものとして捉える考え方。心身二元論的な身体観への批判として、評論文の身体論でよく提示される。 (評論文頻出テーマ(1)言語論・身体論)
相対・絶対
相対とは、他との比較・関係の中で初めて意味を持つこと。絶対とは、他と比較する必要なく、それ自体で成り立つこと。「価値観は絶対的なものではなく、相対的なものだ」のように、絶対的なものの見方を批判する文脈でよく使われる。 (現代文重要語彙(概念語))
他者性
自分の理解や予測の枠組みには完全には収まりきらない、他者固有の異質さ・分からなさのこと。評論文の他者論では、他者を「自分と同じように理解できる存在」とみなす発想への批判として、この概念が持ち出されることが多い。 (評論文頻出テーマ(2)他者論・近代批判)
対比(コントラスト)
情景と心情、あるいは異なる二つの場面などをあえて対照させることで、それぞれの特徴・印象を際立たせる表現技法。晴れやかな情景の中の孤独を描くことで、孤独感がより強く浮かび上がる、といった効果を持つ。 (情景描写と心情の関係)
対比の接続語
前の内容と後の内容を並べて比べていることを示す接続語の働きです。「一方」「それに対して」「逆に」などがあります。 (指示語・接続語の把握)
対比構造
2つの事柄を並べて示すことで、その違いを際立たせる文章の構成方法のことです。評論文では「一般に思われていること」と「筆者の主張」を対比させる形が特に多く使われます。 (対比構造を読み取る)
脱文挿入問題
本文から抜き出された1つの文を、本文中の複数の候補箇所(ア・イ・ウ・エなど)のうち、どこに戻せば文脈が最も自然になるかを答える設問のことです。 (空欄補充問題の解き方)
地の文
会話文(「 」でくくられた部分)以外の、語り手が状況・人物・情景などを説明している文章部分のこと。心情の手がかりは、地の文にも会話文にも、そして情景描写にも散らばっている。 (心情把握の基本)
抽象
複数の具体的な物事から、共通する性質だけを取り出して一般化した考え方のことです。評論文の主張は、多くの場合この抽象のレベルで述べられます。 (具体と抽象の関係)
抽象語
具体的な個々の物事から共通する性質を取り出して作られた、一般的・概念的な意味を持つ語のことです。評論文のキーワードは抽象語であることが多いです。 (キーワード・キーセンテンスの発見)
転換点
登場人物の心情が変化するきっかけとなる、本文中の出来事や言葉、気づきが置かれた箇所のこと。「しかし」「だが」「そのとき」といった逆接・場面転換の言葉の直後に置かれることが多い。 (心情の変化を追う)
頭括型・尾括型・双括型
評論文全体の構成パターンの分類です。主張を最初に述べるものを頭括型、最後に述べるものを尾括型、最初と最後の両方で述べるものを双括型と呼びます。 (評論文の構造を掴む(パラグラフリーディング))
二項対立
物事を、互いに反対の性質を持つ2つの項目に分けて捉える考え方のことです。「伝統と近代」「個人と社会」のような対の概念で表されます。 (対比構造を読み取る)
表現技法
比喩・擬人法・体言止め・倒置法・反復など、文章に印象的な効果を与えるために用いられる修辞上の工夫のこと。表現技法問題では、技法の名前だけでなく、その技法が本文中でどのような効果を生んでいるかを説明できることが求められる。 (小説の設問パターン)
普遍・個別
普遍とは、時代や場所を問わず、あらゆる場合に当てはまること。個別(特殊)とは、特定の一つ一つの事例に固有であること。「普遍的な真理」「個別の事情」のように対で使われる。 (現代文重要語彙(概念語))
伏線
あとで起こる出来事や心情の変化を、読者にそれとなく先に示しておく描写のこと。心情が急に変化したように見える場面でも、直前の伏線を見つけられれば、変化に必然性があることを説明できる。 (心情の変化を追う)
弁証法
ある主張(正)と、それと対立する主張(反)を、より高い次元でまとめ上げること(合)によって、認識や物事を発展させていく思考の方法のこと。対立する二つの立場を、単純にどちらか一方を選ぶのではなく統合する考え方として評論文にしばしば登場する。 (現代文重要語彙(概念語))
傍線部内容説明問題
本文中に引かれた傍線部について、「どういうことか」を説明する設問のことです。傍線部そのものを別の言葉で言い換えている箇所を、本文中から探して答えます。 (傍線部内容説明問題の解き方)
要素
記述問題の採点で、部分点が与えられる単位となる、答えに含めるべき内容のまとまりのことです。1つの記述問題には、多くの場合複数の要素が設定されています。 (記述問題の書き方(要素を過不足なく))
理由説明問題
傍線部について「なぜそう言えるのか」「なぜそうなるのか」を説明する設問のことです。本文中にある、原因・根拠に当たる箇所を探して答えます。 (理由説明問題の解き方)
恣意的
必然的な理由・根拠がなく、その場の思いつきや都合で決められている様子のこと。「言語の意味と音の結びつきは恣意的である」のように、必然性がないことを指摘する際によく使われる。 (現代文重要語彙(概念語))