古典(古文)

用語集

ハ行転呼音
語の最初以外の位置にあるハ行の仮名(は・ひ・ふ・へ・ほ)を、ワ行の音(わ・い・う・え・お)で発音するようになった現象のことです。 (古文の基礎知識(歴史的仮名遣い・古文の特徴))
ラ変型
ラ行変格活用と同じパターンで活用することです。助動詞の活用の種類を説明するときによく使われる言い方です。 (動詞の活用(2)下一段・下二段・カ変・サ変・ナ変・ラ変)
引用の格助詞「と」
「〜と言ふ」「〜とて」「〜となむ」のように、会話文や心内文の直後に置かれ、そこまでが引用(発言や心の中の言葉)であることを示す格助詞。 (古文読解の解き方(文脈把握と省略の補い方))
詠嘆
「~だったのだなあ」というように、今まさに気づいた・気づかされた驚きや感動を表す意味のことです。「けり」に見られる用法です。 (打消・過去の助動詞(ず・き・けり))
縁語
和歌の中で、ある語と意味の上でつながりのある語を複数散りばめ、表現に奥行きを持たせる技法。掛詞と組み合わさることが多い。 (和歌の修辞(枕詞・掛詞・縁語・序詞))
仮定条件
未然形+「ば」などによって表される、「まだ実現していない事柄」を仮に条件として述べる言い方。現代語の「もし〜ならば」にあたる。 (格助詞・接続助詞)
仮名日記
平安時代に女性(または女性に仮託した男性)によって仮名文字で書かれた、回想的な性格を持つ日記文学。宮廷生活や人生の出来事に対する心情描写が中心となる。 (頻出ジャンル(日記・物語・説話・随筆)の特徴)
格助詞
体言(名詞)などに付いて、その語が文の中でどんな役割(主語・修飾語・目的語など)を果たすかを示す助詞。「が・の・を・に・へ・と・より・から・にて・して」など。 (格助詞・接続助詞)
確定条件
已然形+「ば」などによって表される、「すでに成り立っている事柄」を条件として述べる言い方。原因・理由、単純な接続、恒常条件の3つの用法がある。 (格助詞・接続助詞)
掛詞
一つの音に、同音異義語を利用して二つ以上の意味を持たせる技法。「まつ」に「松」と「待つ」を掛ける、など。 (和歌の修辞(枕詞・掛詞・縁語・序詞))
活用の型
助動詞自身がどのパターンで活用するかを、既に学んだ動詞・形容詞の活用に例えて示したものです。「ラ変型」「四段型」「形容詞型」などと呼びます。 (助動詞概論(意味・接続・活用の考え方))
活用形
未然形・連用形・終止形・連体形・已然形・命令形の6種類の形のことです。動詞・形容詞・形容動詞・助動詞はすべてこの6つの形に変化します。 (動詞の活用(1)四段・上一段・上二段活用)
客体
動作の相手・動作を受ける人物。謙譲語が付いていれば、客体は動作主より身分が高い人物だと推定できる。 (敬語からの人物関係の把握)
強意(確述)
「きっと~」「必ず~」というように、そのことが確実に起こる・起こったことを強く言い切る意味のことです。完了の助動詞が推量の助動詞と組み合わさったとき(「てむ」「なむ」など)によく見られます。 (完了の助動詞(つ・ぬ・たり・り))
係り結び
文中に係助詞「ぞ・なむ・や・か・こそ」があるとき、文末が本来の終止形ではなく、決められた活用形(連体形または已然形)で結ばれる古文特有のルール。 (係助詞と係り結び)
係助詞
文中の語に付いて、その語を強調したり、文末の活用形(結び)に影響を与えたりする助詞。「は・も・ぞ・なむ・や・か・こそ」の7つがある。 (係助詞と係り結び)
結びの省略・結びの流れ
係り結びの「結び」の部分が省略されたり(結びの省略)、後に文が続くために本来の活用形で終わらずに別の形に変化したりする(結びの流れ・結びの消滅)現象。 (係助詞と係り結び)
謙譲語
動作を受ける人・動作の相手を高めることで敬意を表し、結果として動作をする人(話し手や身内)がへりくだる形になる敬語。「〜申し上げる」「〜いたす」にあたる。 (敬語の種類(尊敬・謙譲・丁寧))
現在推量
目の前にはない、今どこか別の場所・場面で起こっているであろうことを推量する意味のことです。助動詞「らむ」に見られます。 (推量の助動詞(2)らむ・けむ・まし・らし)
古今異義語
現代語にも同じ(または似た)形で存在するが、古文での意味が現代語とは異なる語。「あはれ」「をかし」「つとめて」など、古文読解でつまずきやすい原因の多くを占める。 (古文単語の覚え方・重要古語)
呼応の副詞
「つゆ〜打消」「え〜打消」のように、文末に決まった種類の語(多くは打消・推量)を要求する副詞。副詞だけを見た時点で、文末の形をある程度予測できる。 (古文単語の覚え方・重要古語)
語幹
活用しても変化しない部分のことです。「書く」なら「書」の部分が語幹にあたります。 (動詞の活用(1)四段・上一段・上二段活用)
作り物語
『竹取物語』のように、虚構の筋書きを地の文中心で語る物語。歌物語(和歌を中心に短い話をつなぐ形式)と対比される。 (頻出ジャンル(日記・物語・説話・随筆)の特徴)
字音仮名遣い
漢字の音読みを仮名で書き表すときの、歴史的仮名遣いのルールのことです。「あう→おう」のような母音の連続の変化がこれにあたります。 (古文の基礎知識(歴史的仮名遣い・古文の特徴))
自発
「自然と~れる」「~せずにはいられない」というように、自分の意志とは関係なく、心情や知覚が自然に湧き起こることを表す意味のことです。「る・らる」に見られます。 (使役・受身・希望の助動詞(す・さす・る・らる・たし))
主語の継続
前の文節と同じ人物が、引き続き動作主(主語)であること。接続助詞「て・で・つつ」でつながる場合に多い。 (主語の把握のコツ)
主語の転換
前の文節と異なる人物が、新たに動作主(主語)になること。接続助詞「を・に・が」や、逆接の「ど・ども」でつながる場合に多い。 (主語の把握のコツ)
序詞
枕詞と似た働きをするが、音数が定まっておらず(7音以上のことが多い)、比喩や情景描写を用いて特定の語を導き出す表現。枕詞と異なり、現代語訳の対象になることが多い。 (和歌の修辞(枕詞・掛詞・縁語・序詞))
推定
目に見える根拠や、聞こえてきた音などをもとに、確からしいと判断する意味のことです。助動詞「らし」に見られます。 (推量の助動詞(2)らむ・けむ・まし・らし)
接続
その助動詞が、直前の語のどの活用形に付くか、という決まりのことです。「未然形接続」「連用形接続」のように表します。 (助動詞概論(意味・接続・活用の考え方))
接続助詞
用言・助動詞の活用形に付いて、前の文節と後の文節をつなぐ助詞。「ば・とも・ど・ども・が・に・を・して・つつ・ながら」など。 (格助詞・接続助詞)
存続
「~ている」「~てある」というように、ある動作・状態が今も続いていることを表す意味のことです。「たり」「り」に見られます。 (完了の助動詞(つ・ぬ・たり・り))
尊敬語
動作をする人(動作主)を高めることで、その人物への敬意を表す敬語。「〜れる・〜られる」「お〜になる」にあたる。 (敬語の種類(尊敬・謙譲・丁寧))
地の文
会話文以外の、語り手・作者による説明や描写の部分。地の文の敬語は、作者(語り手)から登場人物への敬意を表す。 (古文読解の解き方(文脈把握と省略の補い方))
丁寧語
聞き手・読み手に対して、丁寧に述べることで敬意を表す敬語。「〜です・〜ます」にあたる。 (敬語の種類(尊敬・謙譲・丁寧))
直接体験過去
助動詞「き」が表す、話し手が自分自身で実際に見聞きした過去のできごとを表す用法のことです。 (打消・過去の助動詞(ず・き・けり))
伝聞・推定
人づてに聞いた情報を述べる「伝聞」(~ということだ、~だそうだ)と、音などを根拠に推し量る「推定」(~ようだ)の、2つの意味をあわせ持つ用法のことです。助動詞「なり」に見られます。 (断定・存在の助動詞(なり・たり))
伝聞過去
助動詞「けり」が表す、話し手が人づてに聞いた・伝え聞いた過去のできごとを表す用法のことです。物語の地の文で多用されます。 (打消・過去の助動詞(ず・き・けり))
当然
「~はずだ」「~ねばならない」というように、そうなるのが道理である、そうすべきである、という意味のことです。「べし」の代表的な意味の1つです。 (推量の助動詞(1)む・むず・べし)
動作主
その動作を実際に行う人物。尊敬語が付いていれば、動作主は話し手・書き手より身分が高い人物だと推定できる。 (敬語からの人物関係の把握)
二重敬語(最高敬語)
尊敬の助動詞「す・さす」と尊敬の補助動詞「給ふ」を重ねた「せ給ふ・させ給ふ」の形。天皇・皇后など、最高位の人物にのみ使われる特に高い敬意の表現。 (敬語からの人物関係の把握)
二重尊敬(最高敬語)
尊敬の助動詞や敬語動詞を2つ重ねて使うことで、天皇など非常に高い身分の人物への敬意をいっそう強く表す用法のことです。「せたまふ」「させたまふ」のような形になります。 (使役・受身・希望の助動詞(す・さす・る・らる・たし))
二方面への敬語
一つの動作に対して、謙譲語(動作の相手への敬意)と尊敬語(動作主への敬意)の両方が同時に使われること。動作主・客体の双方が敬意の対象になる。 (敬語からの人物関係の把握)
反語
疑問の形を取りながら、実際には反対の内容を強く主張する表現方法。「〜か、いや、〜ない」と訳す。 (係助詞と係り結び)
反実仮想
実際には起こっていない事実に反することを、もし起こっていたら、と仮に想定して述べる意味のことです。助動詞「まし」に見られます。 (推量の助動詞(2)らむ・けむ・まし・らし)
変格活用
四段・上一段・上二段・下一段・下二段のどの規則にも当てはまらない、特殊な活用のしかたをする動詞のグループのことです。カ変・サ変・ナ変・ラ変の4種類があります。 (動詞の活用(2)下一段・下二段・カ変・サ変・ナ変・ラ変)
補助活用(カリ活用)
形容詞に、ラ変動詞「あり」が溶け込んでできた活用の系列のことです。未然形「から」・連用形「かり」・連体形「かる」・命令形「かれ」の4つの形があり、主に下に助動詞が続くときに使われます。 (形容詞・形容動詞の活用)
補助動詞
動詞の連用形などに付いて、本来の動詞としての意味を失い、専ら敬意を添える働きをする動詞。「見給ふ」「申し上ぐ」の「給ふ」「上ぐ」など。 (敬語の種類(尊敬・謙譲・丁寧))
本活用
形容詞・形容動詞のもともとの活用のことです。補助活用に対して、助動詞を伴わずそのまま使われる系列を指します。 (形容詞・形容動詞の活用)
枕詞
特定の語の前に置かれ、その語を修飾・彩る、多くは5音からなる言葉。「あしひきの→山」のように、導く語がほぼ固定されており、基本的に現代語には訳さない。 (和歌の修辞(枕詞・掛詞・縁語・序詞))
歴史的仮名遣い
平安時代頃の発音をもとに固定された、古文の書き言葉で使われる仮名遣いのことです。現代仮名遣いとは発音と表記の対応がずれている部分があります。 (古文の基礎知識(歴史的仮名遣い・古文の特徴))
婉曲
「~ような」というように、断定を避けてやわらかく表現する意味のことです。助動詞「む」が連体形で体言(名詞)にかかるときによく見られます。 (推量の助動詞(1)む・むず・べし)
已然形
現代語の仮定形にあたる活用形です。古文では「已(すで)にそうなっている」ことを表す形として、確定条件(~ので、~と)や係り結びの結びに使われます。 (動詞の活用(1)四段・上一段・上二段活用)